東京都高野連の発表です。
審議の結果、春季大会一次予選は中止となりました。理由は大きく分けて2つあります。一つは、多くの都立高校や私立高校もクラブ活動を停止している中、野球を行う体力の低下が懸念され、ケガ等のリスクもあり、生徒の安全の確保ができないことです。 二つ目は日程と会場校の感染対策の問題です。3/20 (土)・ 3/21 (日)の緊急事態宣言下では試合の実施はできません。
またかと思いました。去年も同じ理由です。そもそも緊急事態宣言は部活の禁止を要請していません。感染対策を講じた上で行うことを言っています。あなたたちは部活で感染者が出た時に叩かれることを恐れて禁止しているだけでしょう。練習させないのもあなたたち。体力を低下させるのもあなたたち。そして試合のシーズに近づくと、お前たちは練習していないから、体力が落ちているから、試合はさせないと言い放つのもあなたたち。
「会場校の感染対策の問題」って何ですか?どんな問題がありますか?具体例を挙げて頂けますか? まだ涼しい春先です。試合中にマスクなどしても問題ないじゃありませんか。今のオープン戦でマスクのようなものをつけているプロ野球選手もいます。各会場に十分な除菌スプレーを用意することはできないですか? そんなものは生徒や保護者たちにお願いすれば、みんな喜んで自腹で自前の除菌グッズを用意してきます。ボールがベンチに戻ってくるたびにみんな喜んで拭き拭きします。会場を後にする時にみんな喜んでベンチなどの消毒を手伝います。会場への移動が懸念されていますか? 満員電車を毎日見ている乗っているあなたたちはどの口で言っているんですか。バスはマスクして黙っていればいいじゃないですか。
あなたたちは野球に打ち込む生徒たちの立場に立って物事を本気で進めるはありますか。マスコミや世間の目を気にして、既に形骸化している緊急事態宣言を盾に取り、事なかれ主義で取り組んでいませんか? 建前は生徒の怪我防止やら感染防止やら安全確保出来ないやらと聞こえがいいですが、本音は部活動の中で感染者が出た場合、叩きに来るマスコミや自粛警察に対応するのが面倒くさいと違いますか? 例え部活の生徒が感染したとしても、外出が自由で通勤や経済活動も禁止されておらず誰もか無症状の感染者になっている可能性がある東京では、感染経路は家庭内などではなく部活にあるエビデンスはどこにありますか?
今週、東京都本市の広報誌を見て唖然としました。この週末、市内の野球場でシニア軟式野球大会を開催する知らせがありました。あなたたちが緊急事態宣言の発令期間中に野球の練習や試合を禁止する理由の一つとして、感染しても無症状や軽症が多い生徒たちがウイルスを家に持ちこみ、高齢者など重症化しやすい家族にうつすことへの危惧を挙げるでしょう。しかしそういう重症化しやすい高齢者たちは、現に緊急事態宣言の発令期間中でも野球の練習や試合を楽しんでいます。大人たちも草野球をしています。「部活」の範疇にいない、いわゆる「外野球」の小・中学生のクラブチームも練習して試合をしています。
中学・高校の野球部員が試合出来ないのは、感染リスクが高いわけでもなく対策が取れないわけでもなく、単に彼らは部活動の範疇にいるからです。部活動以外の野球はみんなやっています。おかしくありませんか? なんか本質的なことを間違っていませんか?
結局、あなたたちが守っているのは野球部の生徒たちではなく、あなたたちの立場と上からの要請だけです。そうでなければ、多くの野球部員が待ちに待った、目標としてきた本大会進出のチャンスである一次予選をそう簡単に潰すことは出来ません。上からの無責任な要請は一々守らなくていいです。医療体制の拡充要請を一年前から無視し続け、民間医院と開業医たちの利益を優先してコロナ対応の病床数を増やす努力を一向にしないどこかの医師会のように。あなたたちが球児たちの「利益」を優先しないと、誰が優先してあげられますか?
今年の春季本大会は去年の秋季本大会に出場したチームだけ出られるのはあまりにも不公平でひどいです。大部分の野球部員は甲子園ではなく、都道府県の本大会を現実的な目標として日々頑張っています。部活ができなくても、いつか試合できる日が来るのを待ちながら自分で練習する子もたくさんいます。
それなのに、あなたたちは中身も無くもこれ以上の実効も望めない緊急事態宣言ばかりを気にして、彼らの目標と楽しみを奪いました。一次予選は弱小チームが多く、どうせ最終的にいつもの強豪校が進出するだろうと、中止しても影響は少ないと読んでいますか? あなたたちはあなたたちが切り捨てた野球部の部員たちがどのぐらい失望しているのか、想像したことはありますか? 彼らを一生懸命支えている顧問の先生たちや保護者たちがどのぐらい心を痛めているのか、想像したことはありますか? 去年の夏、力をつけてきた二年生と引退直前の三年生を都大会に連れていくチャンスを失い、市内の代替大会が終わった後に先生が涙を流しながら話した言葉を、私は忘れられません。
「もっともっと高い所の景色を見せたかった。ごめん。」
もうこれ以上、高い所の景色を見る機会を子供たちから奪わないでください。